大河内傳次郎
花井蘭子 白鳥みづえ
宮城千賀子 岡譲二 脚本 八尋不二 音楽 深井史郎 監督 森一生
昭和26年度作品
危うし!宝刀雲龍丸と初姫の生命は! 浪人大河内が豪快に斬る時代活劇!
東照宮より拝領の宝刀雲龍丸を紛失した為、御家取潰し となった金森藩の家老小出主馬たちは、遺児初姫を擁し 上洛の徳川五代将軍息女竹姫に御家再興の直訴に及ぶ。 竹姫は七日間の滞在中に、初姫と共に雲龍丸持参を条件 に約束する。 金森藩の所領で私腹を肥やしていた老中松 平美濃守は、真山新八の陽炎組や、女間諜お籠、槍豪傑 夕雲を起用して主馬たちを襲うが、その危機に立ちは だかる青江隼人という滅法腕のたつ浪人がいた。
製作・著作 大映株式会社/〒105 東京都港区新橋1-18-21 第一日比谷ビル5階 TEL 03(3508) 2631
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れた。
大河内傳次郎はそんな旧知のスタッ フに囲まれて、当然のことながら、じ つに楽しそうに剣豪浪人の役を演じて いる。戦前からの時代劇スター・大河 内傳次郎は、この一九五〇年代の前半、 最後のチャンバラ・ヒーロー姿を見せ
てくれるのである。翌年の「修羅城秘 聞」の豪快な敵役などはその最たるも のであろう。
山根貞男のお楽しみゼミナール
《走る! 斬る! 走る! 斬る! すさまじい殺気と気迫に、剣豪大河内 が一世一代快刀乱麻の韋駄天走り、目 指すは決闘逢魔が辻!>
これは「逢魔が辻の決闘」の惹句つ まり宣伝コピーである。"走る""斬る" の強調反復が、チャンバラ時代劇の面 白さを煽り立てることに注目しよう。 この映画は一九五一年九月に封切られ たが、直前の八月、占領政策の”時代 劇は月一本”という製作制限が撤廃さ れた。そうした情勢の変化がこの映画 に反映し、"チャンバラ解禁〟を喜ぶ惹 旬になっているのである。
むろん大映だけに限らず、各社で同
じ動きが起こった。この一九五一年の 秋以降、時代劇づくりはまた活況を呈 し、大きな花を咲かせてゆく。
「逢魔が辻の決闘」は大河内傳次郎 が主役で、名刀の争奪戦が出てくるの で、つい「丹下左膳」シリーズを連想 してしまう。おまけに幼い姫君を擁し てのお家再興のドラマ、短銃づかいの 女間者の活躍など、時代劇ならではの 要素ばかりが詰まっている。明らかに ここにも、チャンバラ映画の面白さを 大々的に復活させようという意欲がう 実際、そのために、脚本・ かがえよう。 八尋不二、監督・森一生、撮影・宮川 一夫という時代劇のベテランが揃えら
●キャスト
青江隼人 大河内傳次郎 お龍 花井蘭子 初姫 竹姫 米倉甲斐守 大泉夕雲齋 小出主馬
松平美濃守 眞山新八 脇坂淡路守 良海 良念上人 寺田重蔵 山村右近
白鳥みづえ 宮城千賀子 本間謙太郎 岡譲二 澤村國太郎 香川良介 清川莊司 小堀明男 阿部九州男 葛木香一 寺島 貢 東良之助
仙太
上田寛
水野宮内 相田小七郎
原聖四郎
伊達三郎
スタッフ
ますや喜兵衛 葉山富之輔 藤倉彌七 藤川 隼
脚本 八尋不二 監督 森 一生 撮影●宮川一夫 録音 奥村雅雄 照明 湯川太四郎 音楽●深井史郎 美術●角井平吉 編集 宮田味津三 衣裳●黑沢好子 擬開●宮内昌平 製作主任 安達留雄
TND 954B
ところで森一生という監督は幼い子 どもに弱い。 幼児の出る場面は、ほか のことを忘れて、可愛がる気持だけで 演出してしまう。生前にインタビュー したとき、底抜けの子ども好きを自認 していた。 武骨な大河内傳次郎が幼い 姫に慕われてメロメロになる場面を見 ると、それがよくわかる。
堀井眞吾 堀北幸夫
昭和26年度作品
多木源之進 岩田 正
7分・モノクロ
●本商品は保存原版から最良の状態で製作しておりますが、映画公開時より長い年月を経ており
ますので、一部作品にはお見苦しい場面もございます。 あしからずご了承下さい。