パーヴェル・アイスナー『カフカとプラハ』

パーヴェル・アイスナー『カフカとプラハ』
審美文庫21
審美社
1975年4月10日発行
94P
訳者　金井裕、小林敏夫

カバーより
　世紀の転換期のプラハは、民族、政治、宗教等々の諸問題が激しく
煮えたぎる巨大な坩堝であった。さまざまな矛盾をかかえて渦巻くこ
の坩堝の中で、おのれの存在の根源と固有の文学表現とを求めて苦悩
の彷徨を余儀なくされたことこと、他ならぬカフカの生涯だったとす
れば、暗い歴史とかずかずの伝説を秘めたボヘミヤの一都市は、まさ
に彼の文学と思想とを決定づけた＜地形学の軸＞であったと云ってい
いだろう。
　カフカの同世代者として、プラハに生まれプラハに死んだ著者の手
になる本書は、数あるカフカ研究書の中でもすでに古典的位地を占め
るものだが、事実ここには、カフカの生涯を決定づけた＜地形学＞の
測定において、当時のプラハの情況への測鉛の深さとその認識の透徹
さにおいて、ほとんど他の追従をゆるさぬものがある。

目次
　第一章
　　プラハ特有の事象　辺境居住者
　　カフカ、マン、ヴェルフェル
　　チェコ・プラハのドイツ系ユダヤ人
　第二章
　　歴史的背景　チェコの再生とユダヤ人ゲットー
　　ドイツ人ゲットー　ゲットー、その宗教、国家、社会
　第三章
　　ドイツ人とユダヤ人　よりましな階級
　　分割された家族　過ぎ去った世界の証人
　　死と隣り合せに　ズデーテン・ドイツ人とユダヤ人
　　離反と嫌悪のはざまで　三つの意味での異邦人
　　おのれ自身の国での追放　事実にあらず
　第四章
　　六歳で政治と　異邦人にして無用者
　　自由主義者とネアンデルタール人
　　チェコの学識者　チェコ王の劇　カフカとシュヴェイク
　　チェコのアナーキストたち　ラテン書体　内なる暗黒
　第五章
　　プラハの娘たち　エロティックな共生　女中
　　チェコ人のモデルたち　スラヴ的エロス　ゲットーから地方へ
　　不可解なドイツ人　チェコ人でもなく
　第六章
　　父親　社会的諸問題　社会的やましさ　おのれの生活を求めて
　第七章
　　場所　旧プラハ　愛の天才にあらず　具体と影
　　自画像　かれのプラハ
　第八章
　　意志疎通のための言葉の欠如　＜似而非＞ドイツ人
　訳者あとがき


ハードカバー＜表紙＞：折れあり
見返し：少し剥がれあり
小口：ヤケあり、地に黒点あり＜ペン＞
本体：ヤケあり、
ほか破れ、書きこみなし
重量約180g
厚さ約1cm
サイズ約13.7cm×19.5cm

完全な状態ではありませんが
読む分には支障ないと思います。


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