これまで考古博物館を開く夢を持って60年以上にわたり集めてきた考古遺物を、終活の一環で断腸の思いで出品していきます。今回は土師器の大型の甑の逸品です。
古墳時代後期の整った優雅な曲線を持つ大型の甑(こしき:簀の子を敷いて米を蒸す土器)です。上部が外側に開き胴部の口縁との境に全周に廻る切り込みがあります。胴部はほんんど割れはなく欠損も小さなものでしたが、口縁部は、大き目の欠損がありました。それらの欠損部もうまくが補修されています。
埼玉県出土の関東の典型的な筒抜けの一つ穴があいた 大型の甑です。 竈(かまど)に水を入れた長めの甕(かめ)をかけその上にこの甑を載せ内部に簀の子を敷いて米を入れ、甕の水を沸騰させて甑内の米を蒸すような使い方をします。竈の普及以降に出現する古墳時代の代表的な土器形式の一つです。
本品は特に大型の甑で一度に何升も蒸せそうです。7世紀頃の古墳時代後期のものと考えられます。部分的に僅かに櫛書き文らしきものがありますが他に模様はありません。ただし、輪積で作られた痕跡が明確に残り、焼成時の黒斑も見られます。
細部の大きさは写真のスケールでご確認ください。なお、埼玉県の具体的な出土地は不明です。 返品やクレームには対応しませんので写真と説明文をよく確認の上入札をお願いします。 しっかり梱包して発送しますが、土師器ゆえ途中で破損する可能性はあります。その場合は、ご自身で補修できないようでしたら、返送いただければ補修いたします。よろしくお願いいたします。