The Surf Riders -
Blues For The Birds / The Birds
(Decca 31477 Promo only) 1963
Inspired by the Alfred Hitchcock Production 'The Birds'
A Universal Release and featuring sound effects from
the original soundtrack.
Both sides Written by Sonny Burke, Charles "Bud" Dant.
両面ともヒッチコックの名作スリラー映画「鳥」に
インスパイアされたボサで、オリジナルサウンドトラック
から効果音を使用したダブルサイダー。
このプロモオンリーシングルはA面がトロピカルな
楽園ボサで DJ 人気が高く、しかもB面は前年のヒット曲
Joe Meek の The Tornados "Telstar" のパクりのような
曲調ながら鳥の効果音とピアノロールで上手にラウンジ感
を表現してる隠れた逸品。
作者は両面とも Sonny Burke, Charles "Bud" Dant で
Peggy Lee とともにディズニーの『わんわん物語』の曲を
書いたり、後に Frank Sinatra の "My Way" をプロデュース
する事でも有名な Sonny Burke は当時 Charles Dant
と組んで Decca Records など、ハリウッドの大手レコード
会社でアレンジャー、指揮者、A&Rとして活躍した。
戦前からアメリカのポピュラーミュージックシーンで
活躍していた Charles Dant は1939年にシカゴと
インディアナでのバンドメンバーとしての生活を離れ、
カリフォルニアに来た。彼はNBCの音楽部門の責任者
である Gordon Jenkins から、ハリウッドで NBC の
ラジオ番組の編成と指揮を依頼されていた。当時 Decca で
多くのタレントを発掘してきた Charles Dant だが
本件シングル制作当時は Sonny Burke と組んで流行音楽
に携わる。特に有名なのは翌年である1964年に入ると先ず
Gary Usher に打診して Decca が獲得した The Surfaris
のアルバム Hit City '64 の製作を手伝って欲しいと
Gary Usher に要請をした。The Surfaris は "Wipe Out" で
一世を風靡した Garage Band だったがビッグヒットに伴い
リリースされたアルバムについてトラブルが発生し
それによってバンドは低迷していた。使い捨てされそうに
なった The Surfaris が Decca Records に移籍しまたその後
も中々チャンスに恵まれなかった為に Gary Usher の
プロデュースに頼ったのもよく解る。
話を戻して本件 The Surf Riders というスタジオセッション
ユニットでB面にサーフィン系のサウンドを収録したのは
Charles Dant のアイディアだろう。
因みに1969年にカナダオンリーのリリースで
The Surf Riders - Ten Tons Of Wet
(Condor Records CST-2468) というのがあるのだが
本件シングルの The Surf Riders とは関係ない。
Condor Records はカナダの低予算レーベルだが
これが "Surf Fever" でお馴染みの The Cornells の
LP “Beach Bound”と全く同じ内容なのだ。
1969年にこんなアルバムをリリースしてはたして
何枚売れたのだろうかと、こっちが心配になる(笑)