ゼネラル6CS-2
トランス式mT管スーパーとクロック、駆動用の単一電池2本を樹脂製キャビネットに詰め込んで、
見た目から想像できない程ずっしり重いラジオ。
ラジオと時計の相性の良さは言うまでも在りませんが、テレクロンに代表される電源周波数同期モーターを使用した
クロックラジオが普及した米国とは異なり、本邦における真空管ラジオ時計は極めて限られた時期の産物であったようです。
すなわち空白のジャンルであり、現代に残された個体は極めてレアと言えます。
理由は、西日本と東日本との電源周波数の違いに対応できる小型ムーブメントが数少なかった事に尽きますが、
本機のように電池時計にして、時計用の電池をラジオキャビネットに入れ込むことにも、相当な無理があったと思われます。
にもかかわらず、ラジオコントロールまで作り込んだ大変珍しい作例ですので是非ともご検討くださいませ。
さて、このラジオの電池時計ムーブメントは不動です。
正しくは不動になりました。 電池ケースが腐食している為、ミノ虫クリップを付けて1.5Vを掛けたところ、
5、6秒ほど動いたものの、止まってしまいました。最近聞いたことがないような大きなコチコチ音でした。
これで良かったのだと思います。なぜなら、この時計は電池ケースの2本のネジをドライバーで外して、
単一電池2本を入れてまた閉じたら、あとは電池が消耗し尽くすまで大きな音を立てて時を刻むからです。
ACコードを抜いても時計は止まりません。ラジオの裏蓋を開けて、電池ケースのネジを外してようやく止まるのです。
皆様におかれましても、この時計は諦めたほうが良いと思う所です。
ラジオ性能は優秀です。
当時のゼネラルのゴールデン・スタンダードである
トラッキングレス親子バリコン
キャビネット内蔵大型キャパシティアンテナ
によって、リード線アンテナを伸ばさなくてもローカル局はよく受信できます。
私見ですが、この時期のゼネラルは、中間周波トランス(IFT)が素晴らしいと思います。
高周波増幅の無い標準型でも高感度なのはこの段のゲインが高いのだと考えています。
マジックアイは6E5をmT管にしたような6M-E5です。トーヨー製の新同品を入れました。
6E5に比べて寿命が短いのですが、最大輝度の今をお愉しみください。
外部入力は外部機器側のボリュームで音量調節します。
入力感度のせいか、MAX位で丁度良い音量と感じます。
低いとノイズが少し気になりますが、音量を上げるとノイズが隠れて良くなります。
ラジオの受信はお住まいの電波的環境、建築構造などの影響を受けます。
コンクリート住宅は真空管ラジオにとっては不利な環境であり、
アンテナ線を窓外に出すなどの工夫も必要です。
このような基本知識を持った方に応札頂きたいと思う所です。